豊かさの裏側で。農業の「明日」が見えない

D豊かさの裏側で。農業の「明日」が見えない?

 上秋津の農業の将来について、たずねた質問がある。答が語るのは、将来展望がもてないことにたいする農家のいらだちと国の農業政策への批判であり、土に生きることの誇りや喜びを失いつつあるすがただ。 上秋津の農業は発展するか。この問いに対して、「発展する」と答えたのは「一層」と「少し」をあわせても、わずか7.6六% 、10人に1人にも満たない。これにたいし、「縮小・後退する」と答えた人は、「少し」(29.2%)と「大幅」(6.3%)をあわせると35.5% ともっとも多い。そして、「現状維持」という答が約30% あった。つまり、60% 強、三人のうち二人は、農業の将来にきびしい見方をしている。


上秋津農業の将来



 農業という職業にたいする農家の意識である。
 農業という職業・農家であることに「誇りをもっているし、やりがいを感じる」と答えた人は33.0%、約三人に一人である。その反面、「誇りはあるが、やりがいやおもしろさを感じなくなった」が27.6% 、「誇りもやりがいもあまりない」17.8%、「誇りもやりがいもまったくない」が3.5五% となっている。その数をあわせると約50% 、半数近くに達する。 誇りや愛着をもてず、やりがいが感じられない農業。それは、後継者にたいする考えにも通じる。

 こどもに「ぜひ農業を継がせたい」と答えた親は9.2% 、逆に「継がせたくない」は10.5%と否定的な答えが1ポイントあまり上回っている。そして、一番多かった答は「こどもの意思次第」で31.1%。農業の楽しさをわが子に語ることは、年々難しくなっている。「豊か」に見える上秋津の農業の裏側で、進行している「危機」がある。 そのなかで、上秋津の農業の将来はだれが担うのか。もっとも多かった答は、「特定の農家だけではなく多様な農家が担うべき」という答の38.7%、ついで「これからは農家だけではなく地域住民も農業の担農業という職業・農家であること農業を取り巻く環境のきびしさがあらわれたデータがある。

 そのなかで、上秋津の農業の将来はだれが担うのか。もっとも多かった答は、「特定の農家だけではなく多様な農家が担うべき」という答の38.7%、ついで「これからは農家だけではなく地域住民も農業の担い手として考えるべき」が18.4% となっている。つまり、農業経営者の六割近くは、「地域住民を巻き込んだ多様な担い手によって地域農業を維持していきたい」と考えていることを示している。国が強調している「認定農業者等専業的農家に任せる」とする答は、10.8%、一割程度にとどまっている。


上秋津地域が抱える問題



今後の農業生産および経営の方向



農地の利活用についての意向


非農家の住民との交流・連係の必要性および交流の方法について


人口増と都市化が上秋津の
農業に与える影響



今後の農業経営の方向