秋津野未来への挑戦−秋津野マスタープラン


住み心地がよく、ひとをひきつけ地域。誰もが望む地域である。そうした「理想郷」を築きたい、近づきたい、いま全国各地で地域を活性化し、再生する取り組みが展開されている。

 上秋津地域で地域づくりに取り組む秋津野塾と上秋津マスタープラン策定委員会は、和歌山大学と共同で2002年10月、『上秋津マスタープラン(素案)及びマスタープラン策定基礎調査報告』(以下『マスタープラン』と呼ぶ)を作った。住民が主体になって、大学と協働でまとめたものである。

 ふるさとの地域づくりは、これまで取り組んできたとおりでよいのか、いま一度、原点に立ち返って考えようというのが、出発であった。
 市民の暮らしと同じように、地域の明日の姿も容易に見えてこない。上秋津という田辺市の一地域は、一体どのような地域になっていくのか。どのような地域をめざすのか。そのために、何が必要で、何をすればよいのか。そうしたことについて述べ、上秋津がもつ資源や可能性、地域社会が立ち向かわなくてはならない課題を明らかにしたのが、『マスタープラン』である。
 この章では、『マスタープラン』が示す上秋津の将来の「見取り図」(案)と、地域づくりの「方向」について紹介する。