平成14年11月5日〜6日 33名(秋津野塾生31名、紀伊民報1名、西牟婁普及センター1名) 視察地 長野県南部
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 飯田市の小高い岡にあるリンゴ畑のなかを通り、ひとつの小さな集落。そこが柿野沢でした。
 飯田市街地から車で二十分。天竜川を東岸に渡り、国道 152号線の急坂を登ると山を削った飼料畑が広がっています。この飼料畑を中心とした傾斜地で生活しているのが私達、柿野沢生産組合です。総戸数七十三戸の家族からなり、年輩の人から若い人まで総出の組合です。
この生産組合の始まりは、「この柿の沢の地を、私達住民自らが住みたいと思うところにするには、どうしたらいいか?」という集会での呼びかけに始まりました。柿野沢は山間部に位置しているため、若者は街に出て行ってしまい、活気のない集落になりつつあったそうです。
 そこで年に五回、学習会を開いては話し合いをしたり、研修を行なったりしましたがその結果、「この地域で生きてゆくには、一人の力では生きていけんから、共同作業をやって互いに助け合って生きていきまい。」という考えでまとまりました。まず始めたのは、山間部の地の利を生かし、自然の恵みである農産物加工品を、みんな総出で作り市場に出したり、無人販売所を作り、そこで販売したりしています。

 又、昨年からは、三州足助屋敷に訪問した時に、紙すきの技術援助を行なった事が切 っかけとなって、足助町との交流が始まり、屋敷の前の広場で柿野沢で作った農産物を
直売したりしています。この様な経験から、みんなで共同作業を行ない物を作り販売する事が、楽しみになりました。
 近所のおばあさんからは「わしゃあ、減反なんか、こわくないに。売れる物を作りゃあいいもんで。」という声が上がるまでになり、年齢も感じさせないほど、みんな活気づいています。
 今年は八月に東京で行なわれる世田谷祭りに参加しようと、みんなでトウモロコシなどの作付けし、まだどんな農産物を出店するか話し合っている段階で、東京での暑い夏を心待ちにしているそうです。
 

地元産の山菜や野菜を持ち寄り、工夫した郷土料理「ひさかた御膳」は、県信州の味コンクールで「ふるさと賞」を受賞したそうです。
 手づくり味噌やくるみ味噌、五平もち、白菜キムチ漬け、梅漬けなども各種イベントで販売し、好評を得ているそうです。
 最近集落センターで、県外からマネージメントの研修や、小・中・高校生の体験旅行を受け入れ、都市の子供達に、土と農から生まれる「食と暮らしの豊かさ」を味わい感じてもらえる体験実習を推進中とのこと。

私たち視察団も、柿野沢生産組合のお母さんたちがつくた、ひさかた御膳を昼食に頂きました。この御膳は、昨年の11月に「地域の食の保存・開発」をテーマに、国土庁主催の「食アメニティ・コンテスト」が開催され、長野県代表として出品した「ひさかた御膳」が、みごとに「食アメニティを考える会の会長賞」を受賞した御膳で本当に柿野沢を感じさせてくれる田舎の御膳そのものでした。

写真をご覧ください  ひさかた御膳