秋津野未来への挑戦−『マスタープラン21』が語る基本理念

●住んで良く、訪ねて良い地域へ「みどり空間」上秋津マスタープラン21

@『マスタープラン21 』が語る基本理念は


 21世紀における地域づくりは、どのような方向をめざすのか。基本理念が示すのは、そのことである。「みどり空間上秋津マスタープラン21 」(以下「マスタープラン21 」)は、次の四つをテーマとして掲げている。

 「暮らしを豊かにし、住み心地が良い地域を創る」、「訪れるひとびとの琴線を揺すぶる地域を創る」、「『農村と都市の結婚』による新しい魅力的な地域を創る」、そして「住民主体、『行政・大学参加』が原則の地域づくりを進める」の四点である。三つの特徴をそなえた地域、それらをみずから創造していく、「創る」にはそうした強い意思がある。快適で、安全・安心で、豊かさを実感できる地域。そうした地域が、ひとにとって住み心地が良く、いつまでも住んでみたい地域である。

 「暮らしを豊かにし、住み心地が良い地域を創る」、そのためには地域経済が立ちゆき、生活基盤が整備確立されなくてはならない。地域の歴史や文化を大切にし、農山村のもついろいろな機能(多面的機能)を活かし、美しい景観をつくりあげていくことも大事だ。住んでいる人が生き生きとしている地域、そうした地域が、「訪れるひとびとの琴線を揺すぶる」。親切に迎え迎えられ、訪れるひとが癒され、生きがいを感じるホスピタリィも欠かせない。より良い地域へと向かうには、さらに地域づくりに磨きをかける(ブラッシュアップ)必要がある。

 農山漁村・生産者と都市・消費者との交流をとおして地域を再生していく、そうした地域づくりが全国各地で活発化している。都市と地方が交流をとおして互いに学び合い、それぞれが抱える地域の問題や暮らしについて考え、変えていこうというひとたちが増えてきているからだ。上秋津は、そうしたモデル地域になりうる可能性がある。都市化は人口増をもたらし、地域の住民構成に変化が起きている。土地利用も従来とは変わった。かつての農村に、都市的な要素が広がっている。農村と都市、それぞれのもつ良さを活かしたうえに、地域づくりは進める必要がある、これがマスタープランの主張である。

 地域づくりはだれが取り組むのか、それは住民である。地域づくりの主体は、いうまでもなく住民だ。住民の主体的な取り組みに行政、大学、企業、N P O などが「参加」し、連携していくことが大切である。「マスタープラン21 」が強調するのは、行政への依存から脱却し、地域のことは住民がみずから考え、決めていく、そうした地域づくりである。